オーストリアの首都ウィーンへは国際寝台特急列車で。
ドイツ、ケルン駅を出発です。
なお、動画も静止画も１９８４年当時のもので画質は悪いです。

寝台列車は朝のウィーンへ到着。
ここはウィーン西駅。
ウィーンの鉄道ターミナル駅は各方面により分散しており、ドイツやスイスからは西駅に到着する。
現在、統一した中央駅が建設中で近年オープンの予定。

まず向かった所はシェーンブルン宮殿。
ウィーン西駅から南西へ２ｋちょっと。
噴水のある北側の正門広場の風景。

宮殿の建物をくぐり宮殿南側に広がる庭園へ。
花々が咲く花壇。
その先にネプチューンの泉。
奥はグロリエッテの建つ丘。

花々が美しく咲く庭園を南に行くとネプチューンの泉がある。
ギリシャ神話をモチーフにしている。

ネプチューンの泉からさらに南へ。
小高い丘の上にある建物が、グロリエッテ。
戦没者慰霊碑として建てられた。

丘の上に建つグロリエッテからはシェーンブルン宮殿と美しい庭園が見渡せる。
さらにはその先のウィーンの街並みの絶景を眺める事ができる。

庭園の東側に古代ローマ帝国時代の遺跡の一部が残っていた。

ハプスブルク家歴代の離宮であったシェーンブルン宮殿はマリー・アントワネットのお母さん、マリア・テレジアによって改築され完成する。
ユネスコ世界文化遺産にシェーンブルン宮殿と庭園群として登録されている。

ウィーン旧市街へ移動。
ここからは全てウィーン歴史地区としてユネスコ世界文化遺産に登録されているエリアになります。
その中心を成すシュテファン大聖堂。
石畳の道をひづめの音を鳴らしながら観光馬車が行き来する。

シュテファン大聖堂の屋根は美しいモザイクになっていて、ハプスブルク家の鷲の紋章も描かれている。
ウィーンのランドマーク的な大聖堂は街のシンボルでもある。

大聖堂を中心に旧市街を囲む様に通っている環状道路をリンクと言い、昔は街を守る城壁が築かれていた。
世界遺産のウィーン歴史地区も概ねこの範囲に入る。
鐘の音が響きます。

荘厳な礼拝堂と美しいステンドグラスの聖堂内風景。
多くの人々が祈りを捧げています。

聖堂内の風景。
ハプスブルク家の墓所になっており、地下にカタコンベと呼ばれる地下墓地がある。

聖堂内の風景を楽しんだ後は大聖堂の塔へ登ってみる。
ここからの旧市街の眺めは最高。

大聖堂の塔からの市内風景。
塔は北塔と南塔があり、筆者は高い方の南塔へ登りました。
屋根の幾何学模様のモザイクが美しい。

シュテファン大聖堂から直ぐの所にあるペーター教会。
火災などで建て直されてはいるが、元はとても古い教会。
細い路地に邪魔されて全景が見えにくいのが残念。

聖堂内ではパイプオルガンの演奏がされていて、厳かな音色が響いていた。

レンガ色の独特な色彩の教会、ギリシャ正教会。
左隣のツタが絡まっている建物は市内で最も古いレストラン。

ローマ・カトリック教会の修道会教会、イエズス会教会。
ウィーン歴史地区は街並みを見ながらぶらぶら歩いて観光するのが一番。

ウィーン国立歌劇場、オペラハウス。
王立宮廷歌劇場として建てられた。
戦災に見舞われたが再建され、現在では世界屈指のオペラハウスとして名高い。

これはペスト記念柱。
中世ヨーロッパで大流行したペスト。
猛威を振るい多くの人の命を奪った疫病が治まった事を感謝して建てた塔。
三位一体記念碑とも呼ぶ。

ここはハイリゲンクロイツァー・ホーフ広場。
アパートなどの集合住宅地が建ち、そこを通り抜けができる中庭の風景。

ハプスブルク家の宮殿、ホーフブルク宮殿。
東側入口ゲートの風景。
ゲートをくぐり、ブルク庭園を散策する。

緑の芝生と池が美しいブルク庭園。
その一画に建てられている銅像はモーツァルト像。
手前の花壇の花は音楽家のモーツァルトに因んでト音記号の形に造られている。

ブルク庭園に面して北西に建つ新王宮。
こちら側は裏手になる。
宮殿は数々の建物が時代により増築されて、多くの建造物がある。

新王宮の裏側から英雄広場、ヘルデンプラッツが広がる表側へ向かう。
新王宮は弓形の形をした威厳のある建物。
現在宮殿には乗馬学校や博物館、宝物館も併設され、大統領官邸などとしても使われている。

新王宮の北西に広がる英雄広場、ヘルデンプラッツ。
広場の名前の英雄とはオイゲン公とカール大公。
二人の騎馬像が広場に建つ。

英雄広場から北東へ進む。
大きなドームのある建物が建つ中庭にでる。
ここはスイス宮。
マリア・テレジアの時代、ここにスイスの傭兵がいた事から。

スイス宮の中庭を通って北東へ。
ここには観光馬車や車も通れる大きくて広いミヒャエル門がある。

ミヒャエル門をくぐって外へ。
ここはミヒャエル広場。
王宮の正面口に当たる。

西の方へ行くと市民の庭園として親しまれているフォルクスガルデンがある。
美しい花々が咲く庭園は手入れが行き届いている。
片隅には王宮を望むエリザベート皇后の像が建つ。

ギリシャ神殿の様な列柱のある建物は国会議事堂。

ここには自然史博物館と、向かい合って同じ形の美術史美術館が建つ。
間にはマリア・テレジア記念像が建つ。

教会正面に池を配してシンメトリーな建築美が美しいカールス教会。
マリア・テレジアの実父カール６世が、流行していたペスト根絶を祈って建てた。

カールス教会の堂内風景。
大きなドームの天井には美しい天井画が描かれている。

シェーンブルン宮殿、ホーフブルク宮殿と並ぶウィーンの美しい宮殿、ベルヴェデーレ宮殿。
宮殿北側の下宮にある入口、凱旋門の風景。

宮殿南側の上宮へ向かう。
庭園風景を眺めながら散策。
宮殿はハプスブルク家に仕えた英雄オイゲン公の離宮として建てられた。

池と泉と水の流れを見事に取り入れている庭園風景。
ベルヴェデーレ宮殿は上宮と下宮の二つの館があり、最初に居住用として下宮を、その後に迎賓館として上宮を建てた。

上宮の館前から噴水のある泉の風景。
正面は北側の下宮。
その奥にはウィーンの街が広がる。
左寄り奥の高い塔はランドマークにもなっているシュテファン大聖堂の南塔。

上宮の館の風景。
オイゲン公が亡くなった後、マリア・テレジアが買い取り、ハプスブルク家所有となる。
現在ベルヴェデーレ宮殿は美術館としてコレクションを展示している。

市内からウィーンの森の半日観光バスが出ていたので行って見る事に。
ウィーンの森はウィーン郊外に広がる丘陵地帯で、牧歌的な車窓風景を見ながらのドライブは最高。
ここはハイリゲンクロイツの街にある修道院。

修道院の中へ入ってみます。
１２世紀中ごろに建てられた女子修道院としてはとても古い。
ステンドグラスがはめ込まれた回廊の風景は修道院ならではの美しさを持っている。
中庭の風景もきれいだ。

ハイリゲンクロイツの街の南にマイヤーリンクの町がある。
ハプスブルク家のルドルフ皇太子が愛人と情死したマイヤーリング事件で知られる。
その舞台となったのが皇太子の別荘、狩猟の館で、皇太子の死後に修道院に改修された。

ウィーンを後にザルツブルグへ向かう。
途中にアルプスの峰々の風光明媚な景勝地エリア、ザルツカンマーグートへ寄ってみる事に。

ここはモントゼーの街。
モント湖畔にある。
街にあったモントゼー教区教会。
サウンド・オブ・ミュージックの映画でマリアの結婚式シーンでは、この聖堂内で撮影がされた。

ザルツブルグでの観光は、街の中心を流れるザルツァハ川の北側にあるミラベル宮殿から。
宮殿の庭園からはホーエンザルツブルク城が真正面に見渡せる。

ここは美しいミラベル庭園が見どころ。
庭園内にはペガサスの噴水があり、彫刻が建ち並ぶ。

ザルツァハ川を渡り南へ、旧市街に入る。
細い路地から旧市庁舎の時計塔が見える。
ザルツブルグはサウンド・オブ・ミュージックの舞台で、映画のシーンに登場する場所があちこちにある。

旧市街の中心、レジデンツ広場。
写真は広場の東側に建つグロッケンシュピール鐘楼。
レジデンツ広場の名前は西側に建つレジデンツから。

レジデンツ広場の中央にあるアトラス神の噴水。
広場にはストリート・ミュージシャンが気ままに演奏している。

レジデンツ広場の南側に威風堂々と建つのはザルツブルグ大聖堂。
創建は８世紀中頃。
その後、何度も火災に遭い建て直された。
現在の建物は１７世紀のもの。

大聖堂の中へ入ってみる。
礼拝堂は広々としている。

大聖堂から南側へ抜けると、男子修道院である聖ペーター僧院教会がある。
建物の前にはペータースフリートホフと呼ばれる教会墓地があり、独特の雰囲気を作り出していた。

聖ペーター僧院教会の近くからホーエンザルツブルク城へ登るケーブルカーがある。
ケーブルカー乗り場の風景。

旧市街の南側、小高いメンヒスブルク山があり、その頂上にホーエンザルツブルク城は建つ。
城内の風景。

高台にある城からの風景が絶景で、北側に旧市街やレジデンツ広場が一望できる。
上から見たザルツブルグ大聖堂。

街のいたる所から見る事のできるホーエンザルツブルク城は１１世紀中頃、城塞として山の上に築かれ、その後数百年、増改築を重ねてきた。

こちらは城から見た南側の風景。
青々とした芝生の庭園が広がる。

南側の芝生の中にポツンと建つ一軒の家は首切り役人の家。
忌まわしい名前の付いたこの建物は昔の処刑場との事。
今は個人の別荘だとの事だが、元処刑場の建物をそのまま別荘にするとは中々の勇気だ。

城壁に囲まれた城塞の中は広い。
ザルツァハ川の両岸のエリアはザルツブルク市街の歴史地区としてユネスコ文化遺産に登録されている。

ホーエンザルツブルク城から下山し、大聖堂の東側へ。
迫る様に城塞が建つ、この広場はカピテル広場。

オーストリアの観光はこれでおしまい。
ザルツブルグからアムステルダム行きの寝台列車へ乗り込み、ドイツ、ケルンまで帰ります。

オーストリアの入国スタンプ。
ドイツ国境のヴァルサーベルクにて。