これからモスク都市バゲルハットへ向かいます。
プティアからクルナへの道中、ジネーダと言う村で休憩。
通りのお店を散策。
ワゴンでスターフルーツを売っている。

こちらは野菜や香草類を置いていた。

食べ物の名前は判らないが、小麦粉を練って長細く四角に切った物を油で揚げていた。

小形のナンの様なパンを売っていたおやじさん。

床屋さん。
他の町にもあったが、同じ様なシンプルな店づくりだ。

道で見かけたジネーダ村の子供たち。

休憩も取ったので、出発しようとバスに戻ってきた。
すると見送りなのか、村の人達がたくさん集まってきた。

村人と記念撮影と思い、集まりの中へ入っていった。
そしたら腹はなでられ、頭ははたかれ、大変な目に。
確かに見事なおつむとおなかをしている筆者だが、福の神やビリケンさんではあるまいに。

もみくちゃにされる筆者。
日本人観光客はさほど多くないのか、珍しい様でどこに行っても歓迎される。
それにしても人が多い。
ダッカやボグラ、クルナなどの都会ならまだしも、ここは小さな村だ。

ここはクルナの街。
バングラデシュでは三番目に大きい都市だ。
後述するバゲルハットやシュンドルボン観光の拠点となる街。
宿泊したホテル前のロータリーの風景。

ホテル前のロータリーに置かれていたモニュメント。
よく見るとエビだ。
最初は何か昆虫の様に見えて気味が悪かった。

宿泊したホテル、キャッスル・サラームでの夕食。
エビのスープやグリルなど、エビ尽しのメニュー。
ロータリーのモニュメントからも判ったのだが、ここはエビの産地。
養殖業がとても盛んだとの事。

ここはモスク都市バゲルハット。
クルナから南東へ３０ｋほどにある。

バゲルハットには１５世紀に建てられた数多くのイスラム教礼拝堂、モスクが残る。
ここはその一つ、シャイト・ゴンブス・モスク。

バゲルハットの観光拠点は西群と東群に分かれており、シャイト・ゴンブス・モスクは西群。
入り口ゲートをくぐり、これから中へ入ります。

左右対称シンメトリーが美しいシャイト・ゴンブス・モスク。
シャイト・ゴンブスとは６０のドームの事で、屋根に６０のドームを持つ事から別名シックスティ・ドーム・モスクとも呼ばれる。
実際には７７ものドームがある。

ドームをのせる屋根はベンガル独特の四隅か垂れ下がった湾曲した形をしている。
雨の多い地域で、雨水を滞留させずに流す効果がある。

正面には１１のアーチが、側面には７つのアーチが連続して設置されている。
このアーチが縦横に交差している上部にドームがある。
よって、１１×７で７７ドーム。

バゲルハットの地はバングラデシュの南部に位置し、昔は大河の河口に広がるマングローブの生い茂る大湿原、シュンドルボンの森だった。
バゲルハットのバゲルはトラ、ハットは住処の意味で、当時のこの地はトラが住む深いジャングルだった事から名付けられた。

シャイト・ゴンブス・モスクに付帯する建造物、ミナレット。
礼拝の呼びかけ、アザーンを行う塔。
四隅にそれぞれ、合わせて４つのミナレットが建つ。

ここに１５世紀、ベンガル地方を治めていたイスラムの権力者スルタンの命でカーン・ジャハンが数万人もの従者と共にやって来て、森を切り開き、未開の大湿地帯を開拓して行き、街を造った。

シャイト・ゴンブス・モスクはカーン・ジャハンが建てた現存する建造物の一つで、保存状態がとても良い。

内部にも連続した美しいアーチが続く。
シャイト・ゴンブス・モスクは廃墟ではなく。現在でも現役のモスクとして使われ、金曜には大勢の礼拝に訪れる信者で埋まる。

モスクでの礼拝、サラートする際の導師、イマーム。
模範となるべきもの、を意味する。
異教徒の我々に、イマームは美しい声でコーランを聴かせてくれた。

シャイト・グンバット・モスクの礼拝堂内。
ここのモスクは天井にドームが沢山あるので、それが音響効果をもたらす。
イマームの美しい声の響きがとても良かった。

シャイト・ゴンブス・モスクは屋根に上れる。
モスクの屋根のドームとミナレットの風景。

シャイト・ゴンブス・モスクのドームの風景。
こうしてみるとドームは一つ一つが大きい。

モスクの屋根から見た入り口方面の風景。
外壁に囲まれたシャイト・ゴンブス・モスクの敷地はかなり広い。

広々とした境内の風景とシャイト・グンバット・モスクの全景。
モスクの北側にはカーン・ジャハンの宮殿が建っていたらしく、廃墟の跡が残る。

モスクの入り口近くで出会ったバゲルハットの子供たち。

ユネスコ世界遺産の看板。
シャイト・ゴンブス・モスクを含めてバゲルハット一帯はバゲルハットのモスク都市としてユネスコ世界文化遺産に登録されている。

モスクの入り口の反対側、東には池があり、睡蓮の花が咲いていた。

モスク近くの池の可憐に咲く睡蓮の花の風景。
これらの池は貯水池、水瓶の役目を果たしている。

シャイト・ゴンブス・モスクのある西群はおしまい。
睡蓮の花咲く池を後に東群の観光へ向かいます。

ここは西群のシャイト・ゴンブス・モスクから南東へ２．５ｋにある、東群のカーン・ジャハン廟。
カーン・ジャハン廟の北東にある入り口ゲートの風景。
これから入ります。

入り口ゲートをくぐって直ぐの所から南西方向、カーン・ジャハン廟の風景。
バゲルハットの都市を築いたカーン・ジャハンは死後、イスラム教をもたらした聖人となり、聖廟に埋葬された。

カーン・ジャハン廟の東側の風景。
ここは入り口ではなく、閉められていた。

カーン・ジャハン廟の南側に来ました。
このゲートが霊廟内への入り口。
ゲートから霊廟まで幌が掛けられていた。

霊廟内の墓石。
霊廟内は女人禁制で、筆者を含め男性陣だけで見学しました。

美しい布が掛けられているカーン・ジャハンの墓石。
彼はバゲルハットの民衆に信仰と富をもたらした事で現在でも敬われている。

カーン・ジャハンに関する記録は少なく、イランから来た、あるいはトルコ人だ、など諸説ある。
彼はイスラム教信者のために３６０ものモスクを建造し、バゲルハットにモスク都市を築いた。
１２のモスクが今に残る。

北東角から見た霊廟の風景。
ドームもありモスクの様な霊廟。
４隅に塔が建つ。

カーン・ジャハン廟の西に並び建つカーン・ジャハン・モスクの風景。
ドームは一つで、入り口はカーン・ジャハン廟の陰になって見えにくいですが、東側にある。

カーン・ジャハン廟の前で見かけたバゲルハットの子供達。
イスラム神学校に通う子供達だ。

カーン・ジャハン廟の直ぐ南にタクル池がある。
５００ｍ四方の広い池だ。
貯水池として造られた池だが、沐浴場ともなっている。

現在でも神聖なタクル池では信者が沐浴を行っていた。
中には沐浴と言うより、お風呂代わりに水浴びに来ている様な人もいる。

タクル池の外れに来た。
この辺りはハスの花咲く湿地帯の様相を呈していて、ワニがいるらしい。

ワニがいた。
タクル池に住む巨大なワニだ。
カーン・ジャハンは生前にワニを飼っていた。
今でもそのワニの子孫がここで生きているとの事。

伝説ではタクル池のワニにヤギやニワトリを棒げると、病気が治り、商売が繁盛し、子宝に恵まれる、と言う。
信心深い人は今でも捧げものをワニに与える。

丁度、ニワトリをワニに与えていた。
丸ごと飲み込んだ所で、口から鳥の足だけが出ているのが見える。

ここはナイン･ドーム・モスク。
タクル池の西岸にあります。
名前の通り屋根には９つのドームがあり、４隅に８層になった塔が建つ。

カーン・ジャハンが建てた、現在も残っているモスクの一つ、レンガ造りのナイン･ドーム・モスクの礼拝堂風景。
イスラムの聖地、メッカの方向を示すキブラ壁と壁に造られた窪み、ミフラーブがある。

カーン・ジャハンの死後、モスク都市として栄えていたバゲルハットは衰退して行く。
１８世紀頃、近くを流れていたバイラブ川が洪水で流れを変え、５ｋほど東へ遠のいた。

ナイン･ドーム・モスクで見かけたバゲルハットの子供達。

人々は東へ移り住み、バゲルハットは放棄された。
モスク都市は密林におおわれ、ジャングルに戻っていった。

ナイン･ドーム・モスク付近から眺めたタクル池の沐浴場全景。
この階段状の施設をガートと呼び、アジア南方に多く見られる。
元々はヒンドゥー教徒の沐浴のために造られたが、広く洗濯場や水浴び場、炊事などにも使われる。
階段状になっているのは川や池の水位の変動が、沐浴に影響されない様にするため。

ここは小学校の様だ。
カーン・ジャハン廟の近くにある。
丁度、下校時間だった様で、たくさんの子供たちが出てきた。

バングラデシュでの小学校就学率は７割程度しかなく、しかも高学年になれば半数を切るらしい。
これは貧困の家庭が多く、親の労働を助けるためや、子供でも働ける口に就労しているため。
多くの子供達が教育を受けられない現状がこの国にはある。

バゲルハットの町の風景。
やかんに入れたチャイ（お茶）を売るお店。

町の通りにサモサを作っているお店があった。
インドでもおなじみのスナック。
一般的にはカレー味のジャガイモを小麦粉の皮で包んで揚げたもの。