ブルガリアの首都ソフィアの玄関口。
ソフィアはバルカン山脈など山々に囲まれた盆地で、ヨーロッパの首都としてはスペイン、マドリードに次いで標高が高い所にある。

ソフィアは古代トラキア人によって造られた、ヨーロッパの都市の中では最も古い都市の一つ。
古来より交易で繁栄したが、中世後期から長い間、オスマン帝国に支配される。
ソフィアは女性名詞で聖人の名前でもある。
この像はソフィア像で、ソフィア市内へ入る道路に建てられていた。
知恵のシンボルとの事。

第二次世界大戦後、ブルガリアは社会主義体制となった。
これはスヴェタ・ネデリャ広場に建つ旧ブルガリア共産党本部の建物。

ソフィアのシンボルともなっている、ブルガリア正教の大聖堂。
外見は白い壁、青緑の屋根と金のドームがバランス良く配置され、美しい聖堂としても有名。

世界でも最も大きい正教会聖堂の内の一つ。
戦死したロシア人兵士のために建立した。
名称はロシアの英雄から。
同じ名前の聖堂はロシア、サンクト・ペテルブルクにもある。

大聖堂内部の風景。
沢山の聖像画（イコン画）が飾られていて、熱心に祈りを捧げていた。

大聖堂を背景に筆者近影

アレクサンドル・ネフスキー大聖堂の近くに建つ聖堂。

ビザンチン帝国の時代に建てられ、その後増築、改装が行われた。
古い教会で、街の名前のソフィアの由来ともなった。

大統領官邸入り口風景。
衛兵の姿もあった。
衛兵の交替式も行われる。

ソフィアの中心、大統領府の近くにある古い教会。
赤いレンガを積み重ねて造られた、ソフィアで最も古い教会。

この教会の周りでは古代のローマ遺跡が発掘されていた。
ローマ時代の浴場跡との事。
その周りをホテルやデパートの建物でぐるりと囲まれている。
ホテルに囲まれた、古代遺跡の中に立つ、レンガ色の教会。
少し不思議な風景。

かつてソフィアはセルディカと呼ばれていた。
そこから時代が数千年に及ぶ。
先史時代の遺跡が聖ゲオルギ教会周辺などソフィアの至る所で発掘されている。
ここはその一つ、城壁の跡。地下鉄改札もある地下街にむき出しに遺跡は残されていた。

地下の工事の際に出てきたと言う、セルディカの遺跡。
一部は民間に払い下げられたのか、地下街のアンティークショップになっていた。

オスマン帝国の古いモスクを修復して博物館にしている。
国内で最も古い博物館。

道路からは屋根だけしか見えない。
教会の高さの半分ほど地面を掘って、地表より低い所に建てられた地下教会。
オスマン帝国に支配されていた時代、イスラムの勢力が強く、ブルガリア正教の教会はイスラムのモスク以上に建物を高くできなかった歴史がある。
そのため、ひっそりと隠れる様に教会は地下に建てられた。

入り口は道路から階段で下りた狭い所にあり、建物の壁は石を積み重ねて建てられていた。

とても小さく簡素な教会で、内部は円形状の狭い聖堂一室があるだけ。
それでも美しい壁画やフレスコ画が残っていて、文化的遺産価値の高い教会。

ブルガリア正教教会。
８０年ほど前、当時のブルガリア共産党による爆弾テロが発生し、教会は破壊された。

ロシア正教の教会。
独特の金色ネギ坊主の塔が印象的。

ロシア皇帝のニコライⅡ世。
後にロシア正教会の聖人となった、その人の名を持つ教会。

ソフィア中央駅、コンコース入り口風景。

出発を待つ、国際特急。

プラットホーム風景。

通勤などの近郊電車ホーム風景。
なかなかモダンな電車。

列車の行き先表示。
上はイスタンブールとセルビアのベオグラード、下はベラルーシのミンスク

列車の行き先表示。
左はモスクワ、右はウクライナのキエフ。
ソフィア中央駅から各国、主要な首都へ長距離列車は運行している。

プラットホーム風景。

人里離れた辺境の地に建つリラ修道院。
しかし一歩中に入れば、この世とも思えない極彩色が目の前に現れる。

「リラの僧院」とも呼ばる、ブルガリア正教の総本山。
ブルガリア国民の心のより所となっている。

リラ修道院はユネスコ世界文化遺産に指定されている。

これはフレリョの塔。
修道院の真ん中にある。
リラ修道院は火災にあったが、この塔だけは免れて当時のまま残っている。

中心にある教会には見事なフレスコ画が残されていた。
これは廊下部分の天井に描かれた画。

壁に描かれたフレスコ画。

修道院全体は聖堂やフレリョの塔を中心として周囲を四角く四階建ての回廊が取り囲み、外からの攻撃に耐えられる要塞の機能を有している。

修道院を取り囲む回廊は住居部分にもなっていて、寄宿舎や巨大な釜、煙突がある台所などがある。
これは台所の天井に吹き抜けの煙突を下から見上げた所。

教会内部の風景。
内部は撮影不可だったが、外から望遠で入口越しに内部を撮影。

学校の機能も有していて、図書館も併設されている。
それらを含めてリラ修道院は修道院複合建築物となっている。

周囲を険しい山々に囲まれたリラ修道院。

ブルガリア料理の代表的なカヴァルマと言う肉料理。
土鍋に肉と野菜の煮込みを入れ、オーブンで焼いた、グラタン風シチューと言った所。
家庭料理で様々なバリエーションがあるらしい。
筆者が食したものはほとんど汁気が無かった。

ソフィアの郊外の森にひっそりと建つ、ブルガリア正教の教会、ボヤナ教会。
外見を一見した所、わびしいく目立たない普通の小さな教会だが、ユネスコ世界文化遺産に登録されている。

ここが観光地として、また世界遺産として有名なのは、その外観ではない。
教会の内壁に描かれた見事なフレスコ画である。
それはヨーロッパ中のフレスコ画の中でもほぼ完全に残っている。

フレスコ画は二つの時代にまたがって残っている。
古い時代の上に漆喰を塗り、そこに新たに描かれている。
いくつかの箇所では上塗りされた漆喰がはがれて、下の古い時代のフレスコ画を見る事ができた。
写真は世界文化遺産の登録証。

入り口は木の扉で小さく、教会内部も狭い。
観光は内部が狭い事と漆喰のフレスコ画を湿気から守るため、数人ずつに分かれて行った。

ブルガリアではソフィアに次ぐ都市、プロヴディフ。
古代トラキア人によって街ができ、その後ローマ帝国に支配された。
プロヴディフの街角風景。

ヒサル・カピアと呼ばれる要塞門。
プロヴディフ旧市街にあった石造りの古い門。

ヒサル・カピアは旧市街の要塞の役目をしていた。
門に続く建物も堅牢な城壁となっている。

石畳の道が美しい、プロヴディフ旧市街の風景。
古来より交通の要所として栄えた。

鮮やかな朱色が美しいラマルティーヌ博物館。
ヒサル・カピアのすぐ近くにあります。

こぎれいなアートギャラリー。

プロヴディフ旧市街にて。

プロヴディフの代表的な教会、聖コンスタンティン・エレナ教会。
白色の独特な八角形の鐘楼が美しい。

聖コンスタンティン･エレナ教会の鐘楼。
あまり高い建物が無い旧市街では、この鐘楼はどこからでも目にする事ができる。

紺色の壁に金色の花柄の外観が美しい民族博物館。
１８４７と有るので１６０年も前に建てられた館。
修復もしているだろうが、それだけの年数を感じさせないモダンな印象。

ローマ帝国支配下時代の様々な遺跡が街に残っていた。
あまり修復されずに放置され、みすぼらしい姿になっている。

通りにあったショップの風景。
洒落たお店も沢山あった。

ピンク色の鐘楼がかわいくも美しい、聖処女教会。

聖処女教会と訳しているが、建物には｢VIRGIN MARY｣とあったので、「聖母マリア教会」の方がぴったりと思うのだが。

気怠そうなネコ

プロヴディフ街角の風景。

この街の代表的な観光名所、ローマ時代の円形劇場の遺跡。
比較的保存状態は良かった。

円形劇場の遺跡は未だに現役で使っていた。
この日もこれからライブ演奏会がある様で、ステージや照明、スピーカーなどの設備を準備していた。
ローマ時代には三千人は収容できたとの事。

円形劇場の遺跡は街を見下ろす高台にあり、プロヴディフの新市街を一望できる。

観覧席から新市街展望風景。

お土産屋の風景。

壁一面のモザイク画。

ブルガリア中央部にカザンラクと言う街がある。
この地を有名にしている一つが薔薇。
観賞用ではなくローズエッセンスの採取用。
世界一の産出量を誇り、この地はバラの谷とも呼ばれている。
フランスなどへ香水の原料として輸出されている。
写真はバラ博物館の建物。

これは収穫した薔薇の花からエッセンスを蒸留する装置。
バラ博物館に展示していた。
これ以外にも様々な薔薇に関する品々を展示している。
またお土産コーナーでは純度の高いローズオイルも売っていた。

カザンラクのもう一つの有名なものが、紀元前三百年頃の古代トラキア人の墳墓。
その墓室に鮮やかな壁画が残されていた。
通常の観光はそっくりに模造された観光用で行なう。
写真は本物の墓で入れない。
全体を石造りの建物で保護されていた。

カザンラクのトラキア人の墳墓は世界文化遺産に指定されている。
この墳墓は第二次大戦時に発見された。

古都ヴェリコ・タルノボへの途中、街道からみた金色の僧院。
木々の間から見えるまばゆいネギ坊主の建物が独特。
この辺りはロシア帝国とオスマン帝国との露土戦争の激戦地として知られている。
その戦争で死んだロシア兵のために建造した僧院。

古都ヴェリコ・タルノボ。
旧ブルガリア帝国時代の首都。
日本ではブルガリア人力士、琴欧州のふるさとでも有名。
旧市街地の夜景。

旧市街地の夜景。小雨に濡れた石畳が美しい。

この小高い丘はツァラベツの丘と呼ばれ、ここには旧ブルガリア帝国時代の宮殿があった。
今は滅んで城壁などが遺跡として残っている。
丁度、日没少し前の景色を撮影できた。

ホテルから見たツァラベツの丘の夜景。

ルーマニアとの国境。
通行税の徴収ゲート。