浙江省では杭州を観光します。
関空から杭州国際空港への飛行機からの風景。

杭州空港へ到着。
空港駐機場の風景。

杭州空港、正式名は杭州蕭山国際空港。
海外の都市とは筆者が利用した関西空港を初め、８か国１５都市と結ばれている。

杭州の市内を流れる銭塘江、その下流域の風景。
銭塘江は大逆流、钱塘江大潮が有名で、新月と満月の後の干満の差がとても大きい大潮に発生する。
川の水が逆流する自然現象を海嘯と呼ばれ、他にはアマゾンのポロロッカが知られている。

銭塘江大橋から西側、銭塘江の上流方向の風景。
中央の塔は六和塔。
十三重塔に見えるが実際は７階建て。
宋の時代に建てられ、当時、夜の塔の灯りは銭塘江を行き交う船にとって目印となった。

ここは中国茶葉博物館。
杭州最大の観光地、西湖の西にあるお茶の専門博物館。
入り口近くの風景。

入り口に置かれていた石碑。
茶為国飲杭為茶都、とある。
茶は国の飲み物であり、杭州は茶の都である。

博物館の中庭の風景。
銅像が立っていた。
説明板には茶圣陆羽とあった。
陸羽の事で、唐の時代の作家。
茶に付いての造詣が深く、茶の研究をまとめた著書、茶経で知られる。

博物館では展示物の鑑賞以外に、中国茶の作法やテイスティングの実演コーナーがあり、とても楽しめた。

博物館は周囲に庭園を配置し、景色も楽しめる様になっている。
館内の展示室にはお茶の標本、歴史、茶道具など様々な展示物が置かれている。

博物館の敷地内にあったお茶畑。
実際に栽培していた。
お茶の専門のテーマパークになっていて、中国国内ではここだけとの事。

筆者が宿泊したホテルは海外海百納ホテル。
京杭大運河の一部を構成する運河、上塘河に面して建つ。

ホテルからの上塘河運河の風景。
古く秦の時代、始皇帝の命で輸送力強化のため運河を開削されたのが今の上塘河と伝わる。
隋の時代に北京から杭州までを結ぶ大運河、京杭大運河を開通させた。
京杭大運河は元々あった運河を利用し、つなぎ合わせている。

上塘河に架かる石橋。
街中を流れる上塘河にはたくさんのメガネ橋や太鼓橋が架けられている。
京杭大運河の一部は中国大運河としてユネスコ世界文化遺産に登録されている。
上塘河は京杭大運河を構成する江南運河とつながっている。

ここは西湖。
杭州観光地の中でも別格と言って良いほど、杭州に来れば必ず訪れる場所。

ここは西湖の南側、蘇堤から東側の雷峰塔の風景。
雷峰塔は１０世紀末に建てられた仏塔だが、２０世紀中頃に倒壊し、その後再建された。

蘇軾の石像。
蘇軾は宋の時代の詩人・書家。
白楽天が築いたとされる西湖北側の白堤を見習って、大規模な土手、蘇堤を建設した。

蘇堤からの風景。
蘇堤は西湖十景の一つ、苏堤春晓に数えられ、早春の朝焼けの頃が最も美しいとされる。

西湖と蘇堤の説明板。
西湖は、杭州西湖の文化的景観としてユネスコ世界文化遺産に登録されている。

蘇堤の風景。
写真の湖は蘇堤によって西湖と切り離された南西にある湖、小南湖。
今回は冬で、岸辺のハスも枯れていた。

蘇堤からの風景。
この橋は、蘇堤と花港公園との間に架かり、小南湖と北西にある西里湖との間の水路の上に架かる橋。

蘇堤からの小南湖に浮かぶ東屋の風景。
中国国内には西湖と呼ばれる湖はいくつかあり、杭州の西湖を杭州西湖と呼ぶ。
西湖の山水風景や名勝旧跡の内、季節に応じて西湖十景と呼ばれる景観が特に美しい。

蘇堤を北に進むと、西湖の南西に花港公園があり、一帯を西湖十景の一つ花港観魚に指定されている。
ここは花港公園の入り口の風景。

蘇堤から花港公園の入り口までには橋が架かっている。
その橋から南側の風景。
前述した南湖との水路に架かる橋の風景。

こちらは橋から北側の風景。
水路の先は西里湖へと続く。

橋を渡り花港公園の入り口の門まで来た。
花港公園は宋の時代の官僚の館と庭園跡を整備して公園にしている。

花港公園内にあった西湖十景の説明板。
花港观鱼とある。
ここは花を愛でて魚を観る処。

花港公園内を進むと鱼池古迹という所に出た。
敷地内に建つ古い石碑。

四角い池にたくさんの鯉が泳いでいる鱼池古迹。
花港観魚には他にも、色鮮やかな緋鯉が泳ぐ魚楽園や、牡丹の花咲く牡丹園などがある。

鱼池古迹から北側の風景。
右側は蘇堤、左の湖は蘇堤で西湖と区切られた西里湖。

西里湖の風景。
湖畔に建つ建物は杭州西湖国宾馆というホテル。

これから遊覧船に乗って西湖を舟から観光します。
西湖周辺にはいくつかの遊覧船の乗り場がある。

遊覧船の出航です。
ここは遊覧船の乗り場、花港碼頭。
花港観魚の近くにある。
碼頭とは遊覧船などの船着き場の事。

遊覧船からの風景。
小さな手漕ぎの舟、大型観光船、左奥の塔は雷峰塔。

遊覧船からの雷峰塔の風景。
西湖南部の夕照山に建つ雷峰塔は西湖十景のひとつ、雷峰夕照に指定されている。
雷峰夕照とは、夕焼けに照らされる美しい雷峰塔の姿を言う。

西湖から石塔が顔を出していた。
この塔は三座石塔の一つ。
蘇堤を建設した蘇軾が西湖の湖底をさらって土砂を取った後、３地点に置かれた標識の石塔。

西湖を行き交う遊覧船。
筆者が乗ったのと同じ型の遊覧船。
中国風のイメージにしている。

遊覧船からの西湖の湖面風景。
西湖は様々な伝説や民話伝承などの舞台となっている。
白蛇伝もその一つで、白蛇の化身が封じ込められたのが前述した雷峰塔。

西湖にはいくつか島があり、遊覧船で渡る事ができる。
その一つに小瀛州と言う人口の島があり、島の中は３つに分かれた池で構成されている。
この建物は島の南に建つ我心相印亭。
この島は西湖十景のひとつ、三潭印月に指定されている。
池に映る月を見ると、月が三つに分かれて見える事から。

西湖東の呉山に建つ、靄に霞む城隍閣の風景。
城隍閣は西湖の守護神、城隍神を祀る７層の楼閣。

西湖の北側にやって来ました。
白堤の途中にある断橋の風景。
この白堤の辺りは西湖十景のひとつ、断橋残雪に指定されており、冬の雪景色の風景が良いとされている。

白堤の風景。
白堤は西湖北側から南西へ延び、後述する孤山まで１ｋほどの堤防。
詩人、白居易が建設を指揮した事から白堤と呼ばれる。
白堤で区切られた北側の湖を北里湖と呼んでいる。
遠くの塔は、西湖の北にそびえる宝石山に建つ保俶塔。

白堤を南西に行くと出島の様な孤山に出る。
この辺りは西湖十景のひとつ、平湖秋月に指定されており、湖畔の楼閣から見る秋の月が美しく、また湖面に映る月もきれいなのだそうだ。

孤山には孫文を記念して中山公園が造られている。
この建物は公園前の西湖に面した船着き場、中山公園碼頭に建つ牌坊。
光華復旦とある。
中国の古書、尚書の「日月光華、旦復旦兮」から来ており、日と月の光は天地を照らす、今日も明日も、の意味。
たゆみ無く自身を向上させる事を目指せ、との事。

この立派な建物は杭州楼外楼と言うレストラン。
清王朝の道光帝の時代に創業されたとても歴史のある老舗レストラン。
現在では敷地面積も広く、大人数の客を入れる事ができる。

レストラン杭州楼外楼の直ぐ西に建つ白い外門は西泠印社の門。
西泠印社とは、印章を作成する篆刻を中心に生業とする団体、企業の名称。
書や絵画、文献の収蔵、出版などを行う学術団体でもある。
広い敷地の中に素晴らしい江南式庭園があり、一般に公開している。

孤山の西、広州市内へとつながる石橋、西冷橋。
西冷橋周辺はハスの花が見所なのだが、季節は冬で枯れていた。

西冷橋から西、左に白色の跨虹と書かれた牌坊、右に楼閣、風雨亭がある。
風雨亭は元、秋瑾の位牌を祀ってある祠堂があった。
秋瑾は清朝末期の女性革命家で、反清革命運動を起こした。

遊覧船は蘇堤の北側までやって来ました。
ここから蘇堤に沿って南下し出航した花港碼頭まで戻ります。
蘇堤の石橋、跨虹橋の風景。

さらに蘇堤に沿って南下。
蘇堤に造られた石橋、壓堤橋の風景。
蘇堤は全部で６つの石橋があり、蘇堤六橋と呼ばれる。

蘇堤の風景。
今回、西湖十景では６か所見てきたが、他には、柳浪聞鶯、曲院風荷、南屏晩鐘、双峰挿雲があり、またの機会に訪れてみたいものだ。

蘇堤六橋の一つ、鎖瀾橋。
蘇堤六橋は紹介した以外には映波橋、望山橋、東浦橋がある。

再び杭州空港。
ターミナルビルの風景。
空港は杭州中心部から４０ｋほど郊外にあるが、地下鉄が通じていて４０分ほどで行ける。

杭州空港、滑走中の飛行機からの風景。
２０００年までの長い間は杭州筧橋空港が使用されていた。

飛行機からの夕焼けの風景。

さて、ここからは１９９２年に杭州へ無錫より鉄道で旅行した時の写真です。
無錫からの列車の風景。

写真と動画は当時の物で、特に動画はＶＨＳテープの時代の物で画質は悪いです。

杭州駅プラットホームの風景。
筆者近撮。

杭州駅、駅舎の風景。
浙江省の省都、杭州市。

杭州駅、駅舎の風景。
浙江省の浙江とは、河の水が逆流して河を上る事で有名な大河銭塘江の事。

杭州随一の古刹として名刹になっている霊隠寺。
西湖の西、４ｋほどの霊隠山麓に位置する。

霊隠寺の本殿、大雄宝殿。
仙人の霊魂が隠れている所、から霊隠寺と名付けられた。

大雄宝殿の前にある香炉。
沢山の人が手に手に線香を持っていた。

大変古く、４世紀中頃に創建され、１６００年の歴史があるとの事。
建物は火災や争いで焼失し、その度に再建された。

熱心に拝む人の姿が絶える事が無い霊隠寺。
インドから伝来の禅宗の寺院。

多くの参拝客で賑わう霊隠寺。
南宋王朝時代に禅宗五山のひとつとされ、清王朝４代皇帝、康熙帝から雲林禅寺とも名付けられた。

大雄宝殿から離れ南側へ。
霊隠寺内にある飛来峰へ行く。
ここには岩盤に彫られた磨崖仏が沢山あった。

浙江省で最大規模の磨崖仏群が残り、これら石仏は飛来峰石窟造像群と呼ばれる。

石仏は雨風にさらされながら、それほど風化されずに今日まで残っている。
飛来峰の石仏は、大小合わせて３３８体あるとの事です。

ひときわ人だかりができていた石仏。
これは布袋様。
中国では布袋様を弥勒菩薩の姿形とする風習があった。
ここの石仏の中で一番人気。

太鼓腹で、かっぷくのある石仏。
インドの僧が飛来峰を見た時に、インドの聖地、霊鷲山の峰がここにある様に思った事から飛来峰の名が付いた。

飛来峰の麓には大小７２個の石窟があり、その内いくつかには入る事ができる。
筆者も入ってみました。

ここは石窟の一つ、玉乳洞。
洞内にも沢山の磨崖仏が彫られていた。

磨崖仏に触ればご利益が有るらしく、中には手垢にまみれた仏様もあった。

石窟は玉乳洞以外にも青林洞、龍泓洞、通天洞などがある。
それらに彫られた石仏の数は３８０体にも及ぶとの事。

岩盤は石灰石でできていて、彫る事は比較的やりやすい。

市内へ戻って来てランチ。
お昼に立ち寄ったレストランの高層階から市内展望。

レストラン高層階から大都会、杭州市内の風景。

杭州随一の観光名所、西湖。
古来より一度は来てみたいと思う場所であり。多くの詩人や画家に愛された所。

その名の通り、杭州の西に有るので西湖と呼び、中国内に数有る西湖の内、単に西湖と言えば杭州の西湖の事を言います。

細長い塔は仏塔の保俶塔。
最初に建てられた時は今の物よりも高く、九層の塔だった。
現在は七層の塔。

西湖周辺を散策した後は、遊覧船による湖めぐり。
独特の形をした屋形船。

周囲１５ｋの湖、元々この辺りは海の干潟で、砂によって潟湖となる。
その後、雨水や湧水によって汽水湖となり、現在は淡水湖になっている。
湖の水深は浅く、平均１．８ｍ位。

モヤがかかる西湖。
この低いコントラストの風景も山水の趣があり、とてもきれいだ。

西湖は西子湖の別名を持つ。
これは中国古代四大美女の一人、西施またの名を西子が西湖に入ったと言う伝説から。

西湖から南に５ｋ程の銭塘江に面して建つ六和塔。
高さ６０ｍの八角形の大きな仏塔。　
六和とは仏教の六つの戒めを意味し、銭塘江の激しい流れを鎮めるために建造した。

夕食後、夜の市内を散策に。
輪タクに乗り街へ繰り出す筆者。

路地に開かれていた夜店の風景。

急須が沢山並べられていた。

民芸品の店。

再び杭州駅。
これから上海行きの列車に乗り込みます。

列車からの車窓の風景。