四川省の旅は省都の成都へ。
ここは成都にある武侯祠。
南西方向の入り口を入った所の風景。

こちらは南西方向に入り口のある漢昭烈廟への門。
劉備殿とも呼び、劉備玄徳を祀る。

漢昭烈廟の中から入り口の門、二門の風景。
三国志の時代、三国の一つ蜀が現在の四川省を含めたこの地一帯を治めた。
その蜀の都となったのが成都。

奥に行くと回廊があり、出師表が壁に掲げられていた。
出師表とは家臣が皇帝に宛てた上申書の事で、ここでは劉備玄徳の子、劉禅公嗣に諸葛亮孔明が上奏した書文。

３世紀中頃、この辺りに劉備陵が建てられたのが始まり。
ここは三国志にまつわる広大な博物館と言える。
筆者はそこまでではないが、三国志のファンにとっては聖地とも言える所だそうだ。

ここは武人廊。
長い回廊には蜀の時代の武将の像が展示されている。
他には文臣廊があり、同じく文官の像が展示されている。

劉備殿。
劉備玄徳の像が祀られている。

業紹高光の額が掛かっている。
劉備玄徳が蜀の国を建てた事は、高祖劉邦が前漢を建てた事より、光武帝劉秀が後漢を建てた事より功績としては越えている、と言う意味。

武侯祠は蜀の皇帝、劉備玄徳の軍師だった諸葛亮孔明を祀る霊廟。
武侯祠は中国各地にあるが、ここ成都武侯祠が最も有名で威厳がある。

武侯祠をさらに奥に行くと孔明殿がある。
名垂宇宙と書かれた額が掛かっている。
その意味は、諸葛亮孔明の高名は世間にあまねく知れわたっている、との事。

武侯祠にあった年代物の鼓楼。

庭園も美しい、雰囲気のある武侯祠。

広大な敷地を有する武侯祠の庭園。
川が流れている。

庭園内を流れる川ではボート遊びをしている。
川は大きな池へとつながっている。

赤土壁と竹林に囲まれた廟へと続く小路。
赤色は魔除けの効果があるらしい。

次は成都動物園。
パンダがお目当て。

成都動物園にいたパンダ。
人が多くて大変だった。

次は宝光寺。
その大きな山門の風景。

宝光寺は後漢の時代に創建された古刹で、四川省の重点文物保護単位に指定されている。
宝光禅院とも称される禅寺。

ここは天王殿。
１５０年ほど前に再建された。

この塔は舎利塔。
千年程前の唐の時代のもの。
高さ３０ｍ、１３層の塔で宝光塔とも呼ばれる。

ここは七仏殿。
殿堂内には七体の仏像が安置されている。

ここは蔵経楼。
一切経が納められている。

羅漢堂前の風景。
五百羅漢像が安置されている。

赤土壁に両側を囲まれた小路。
前述の武侯祠にも同じ様な小路があった。

赤土壁の小路と竹林。
とっても風情がある。

ここは王建墓。
群雄割拠の戦乱の五代十国時代、十国の一つ前蜀を建国した始祖、王建の陵墓。

石人と呼ばれる石の彫刻像が立つ王建の陵墓。
永陵とも呼ばれる墓は、１９４２年に発見された。
既に盗掘に遭っていたが、墓は壊されずに残っており発掘品も多く、それらは永陵博物館に保管され、見る事が出来る。

王建は河南省に生まれ、無学なならず者で、若い時は密売や窃盗などで生計を立てていた。
唐が衰退して行く中、軍に入り戦で手柄を立て、地方の官僚に任命される。
唐の滅亡後、四川省に当たる地域を支配し前蜀とし、成都を都と定めた。

成都で屋台村の様な屋外フードコートがあった。
ここは飴のお店。
棒に材料を引っ掛けて、何回も伸ばしていく。

手前は黄色い吉備団子の様な蒸かしたお餅。

油で揚げた物、鉄板で焼いたおやきの様な物、飲茶に出てくる蒸し料理、饅頭と呼ばれる蒸しパン、鶏やアヒルの丸焼きからお粥やラーメンまで、四川風ファーストフードのほとんどが有った。

落雁の様なお菓子。
色の違う２種類の粉を木型に流し、押し固めて作っていた。

人気があり、人が並んでいた四川風おでん串。
似たもので、焼烤と呼ばれる四川風串焼きも人気。

ここは望江楼公園。
成都の街を流れる錦江のほとりにある。
中央の楼閣は望江楼。

公園内の建物は唐の時代の女流詩人、薛涛を忍んで建てられた。

落ち着いた風情のある、しみじみとした味わいの庭園と古い建物。

望江楼公園のシンボル、木造の四層の楼閣の望江楼。
上層二層が八角形の形になっている望江楼は正式には崇麗閣と呼ばれる。

公園内の竹林の小路。
武侯祠や宝光寺にも竹の小路があったが、ここのは竹でできたトンネルと言った風景。

池と岩を配した庭園風景。
薛涛は父親を早くに無くし、家の事情から成都で歌妓(酒宴で歌をうたう芸妓)になった。
若くから詩の才能があった彼女は宴会の席で歌を詠み、官僚達に詩人としての才能が認められ、高名に成って行く。

園内には沢山の種類の竹が植えられている。
四川には自然が多く、数多くの種の竹がいたる所に生えており、その風雅さは文人墨客の作品の題材に無くてはならない物。

竹が大好きだった薛涛にちなみ、公園内には数多くの竹を集め、竹を特色とした公園造りにしている。
竹子公園とも呼ばれて人気がある。

ここは文殊院。
禅寺の修行道場。

阿彌陀佛とある。
阿弥陀仏が安置されている御堂。

ここは鐘楼。
金鐘とある。

文殊院は南北朝時代に建てられた寺院。
唐の時代には位相院と呼ばれ、宋の時代までは信相寺と呼ばれていた。
明の時代に戦乱で焼失、清の時代に再建され文殊院と付けられた。

文化大革命の時代、成都では多くの仏教寺院は破壊された。
文殊院はその中でも奇跡的に破壊を免れた寺院。

清の時代の建築物。
天王殿、三大士殿、大雄宝殿、説法堂、蔵経楼、鐘楼、鼓楼など多くの建物が残る。

成都の街を走る蒸気機関車。