次の訪問地は鎮遠。
ここは鎮遠の駅。

なかなか立派な駅舎だ。
ここから観光の中心地、鎮遠古鎮までは３ｋ程の距離。

鎮遠駅のプラットホーム風景。
鎮遠には上海からだと夜行列車で２４時間ほどで到着する。

街中で見かけた鉄道橋。
丁度、貨物列車が通っていた。

鎮遠駅から北東へと続く通り、和平街を進むと衛城垣と呼ばれる明王朝時代の城壁が残る。
衛城垣に設けられた城門の風景。

和平街を進み、㵲陽河に架かる新大橋を渡ると興隆街に出る。
写真はその興隆街入口にあった牌坊。

興隆街の通りの風景。
２ｋ程の石畳が敷き詰められた通りで石板街とも呼ばれている。
筆者のホテルもこの興隆街に面していた。

興隆街の北側は山になっていて、山に向かっての傾斜の土地に古い民家が建つ。
ここはその古い民家が残る通りの一つ、復興巷。
興隆街からの入り口の風景。

興隆街はホテルやレストラン、土産物屋などが集まっている繁華街。
車は許可された車しか通れない。
筆者は牌坊付近から興隆街を走っている電動カートを利用。

夕食までには少し時間があったので、鎮遠古鎮を散策する。
まずは興隆街の直ぐ南側を流れる㵲陽河の岸辺へ下りてみた。

㵲陽河の船着き場。
対岸へは地元の人達の足となる渡し舟が行き交う。
中国では船着き場を碼頭と呼ぶ。

㵲陽河を行き交う渡し船。
橋は有るが遠回りなため、流れの穏やかな㵲陽河では渡し舟が便利で、子供たちの通学や対岸まで働きに出る人、買い物など庶民には無くてはならない手段となっている。

川べりで水遊びする鎮遠の子供達。
鎮遠は二千年もの歴史のある、古い町並みが残る古鎮。

㵲陽河の河岸に残る古鎮、鎮遠の風景。
川沿いに遊歩道が整備されており、夕刻の鎮遠の風景を楽しみます。

㵲陽河に架かる新大橋まで来ました。
橋のたもとから、㵲陽河の南側の風景。

新大橋の上から西側の風景。
川沿いの建物群は川辺ギリギリまで寄せて建っている。

新大橋の上から見た西側の、川の南側の風景。
岸辺に沿って遊歩道が続く。

新大橋の上から東側の風景。

㵲陽河の南側の風景。
川岸にはレストランが有り、屋外には食卓が並ぶ。
まだ早いからか、テーブルにはまばらの人だが、直ぐに満員になるのだろう。

新大橋を渡り切り、橋の南側のたもとの風景。
ここから川辺の遊歩道へ下りて行ける。

橋のたもとから見た裏路地の風景。
食べ物の店が続く。

新大橋の南側の遊歩道を西へと進む。
日も低くなり、逆光の中の㵲陽河の風景。

この辺りで㵲陽河は湾曲している。
対岸の川の瀬に建つ楼閣は鎮遠閣。

鎮遠閣は㵲陽河の流れを治める祈りから建てられた。
近年の物で、歴史のある建物では無い。

川岸では舟を修理していた。
㵲陽河両岸辺りが旧市街地、鎮遠駅から和平街辺りが新市街地となる。
㵲陽河北側の建築群。
色も建築様式も統一されている。

川岸にせり出す様に建つ家々は、柱で支える張り出した吊脚楼と呼ばれる建て方で建ち、河中に突き刺さる無数の柱の上に岸辺にそそり立つ様に見える。
まさに河上の古鎮と言われる鎮遠の風景。

元来た道を戻ります。
㵲陽河も東側、新大橋方向の風景。

川岸では子供達が水遊びをしている。
いたる所に小さな船着き場、碼頭があり、遊歩道から下りる事ができる。

新大橋の風景。
興隆街を西へ行き、新大橋たもとから西側の通りは新中街。
その先は民主街となっている。

何やら川岸で集まっていた。
岸辺の浅瀬になっている所には食卓を出して食事をしている人たちもいた。

新大橋のたもとに戻って来ました。
レストラン前のテーブルには先程よりは人が増えていた。

興隆街から見た、夕暮れ近い㵲陽河と新大橋の風景。

夕食後、とっぷりと暮れた鎮遠古鎮の街を散策。
電燈色の灯りが石畳に漏れて、美しい興隆街の夜景。

古民家路地の一つ、仁寿巷の夜景。

ライトアップされた、興隆街入口の牌坊の夜景。

新大橋からの㵲陽河両岸の夜景。

鏡の様に滑らかな川面には両岸の河沿いの建物の灯りが映り、川面に浮かんでいるかの様な、ノスタルジックな趣のある夜景を楽しむ事ができる。

㵲陽河の流れはゆるやかだ。
これは下流に水力発電用のダムが建設されたため。

鎮遠の夜景を楽しむなら河岸からだけではなく、小型の舟に乗って河から両岸の綺麗な夜景を楽しむのが良いとの事で、筆者も㵲陽河遊覧を楽しみました。

新大橋たもと、ライトアップされた橋げたの風景。
舟はモーターで進むタイプで、速度は出ないが静かで、夜景の風情を楽しむにはちょうど良い。

鎮遠を流れる㵲陽河は沅江の支流で、流域には㵲陽河景勝地として古鎮やカルスト地形など数十余りの名所がある。

幻想的な雰囲気をかもしだす、㵲陽河の夜景。

㵲陽河は下流域で前述の銅仁を流れる錦江と合流し、湖南省にて沅江と合流、最終的には長江となる。

㵲陽河では古来より水運業が盛んで、鎮遠は雲南省から経由して湖南地方へ向かう要衝の地であり、遠くベトナムなど東南アジア諸国へも通じていた。

鎮遠での㵲陽河は湾曲し、Ｓ字の形となって町を流れる。

鎮遠の町の北側には石屏山がそびえ、頂上に東屋が建つ。
石屏山は周辺を含め、石屏山風景区に指定されている。

石屏山から㵲陽河を見下ろすと、Ｓ字形の河は勾玉を組み合わせた様な風水や易学で用いられる陰陽太極図に似ている。

ここは祝聖橋の橋上に建つ魁星閣。
気の流れを読む伝統的な風水の考えからは、鎮遠の町は風を治めて良い気が集まる、福や富をもたらす地とされた。

ここは鎮遠を代表する観光地、青龍洞。
明日にここを訪れます。

青龍洞の入り口に建つ牌坊。
道教においても、鎮遠の町は仙人が住む洞天と仙人が修行した福地である洞天福地として、繁栄幸運のめでたい地とされている。

㵲陽河遊覧にて川から眺めた青龍洞を観光します。
ホテルから興隆街を川沿いに北東へ行くと青龍洞がある。
㵲陽河の対岸から眺めた青龍洞の全景。

青龍洞近くに架かる橋は祝聖橋。
橋のたもとには渡し船が係留されている。

㵲陽河に架かる祝聖橋の風景。
この石橋は架けられてから６００年にもなると言う。
かつての名前は渓橋。

橋げた越しに見た㵲陽河の船着き場の風景。

祝聖橋の上から見た橋の西側の㵲陽河風景。

祝聖橋の中央に建つ魁星楼。
三層の建物で八角形の屋根を持つ。
築１５０年の建物。

古い石橋、祝聖橋から見た魁星楼と右側の青龍洞古建築群の風景。

青龍洞に入ります。
入口にあった案内の看板。

㵲陽河の東、中和山の斜面の断崖にへばり付く様に、いくつもの建物が建てられている。

建物と建物の間は石段でつながっている。
青龍洞とは宗教施設である古建築群の総称。

青龍洞古建築群は１４世紀、明王朝時代に建立が始まり、清王朝第１１代皇帝、光緒帝の時代に完成した。

青龍洞の残る洞穴。
青龍洞宗教施設群の特徴は仏教、儒教、道教の３つの宗教施設が一緒に存在する事。
これは三教合一と呼ばれている。

青龍洞からの風景。
仏教では釈迦を祀る中元禅院、儒家では孔子を祀る紫陽書院が建つ。

道教では最高神の玉皇大帝を祀る玉皇殿や代表的な８人の仙人、八仙の一人、呂洞賓を祀る呂祖殿などが建つ。

青龍洞から見た㵲陽河と鎮遠古鎮の町並み。
㵲陽河がＵの字に大きく蛇行しているのが判る。

㵲陽河の川辺ギリギリに建つ建物群の風景。
特徴的な建物の凸形の高く反り上がった軒を飛檐と呼び、飛檐を幾重にも重ねた湖南様式建築が独特。
隣家への延焼を食い止める防火様の壁、封火壁の役目がある。

㵲陽河と山の間の僅かな地に古建築群は残る。

他には中元洞、江西会館、万寿宮、文公祠などの建物が残る。
国家レベルの重点文物保護単位である「青龍洞」。

青龍洞入り口付近から見た㵲陽河と対岸の興隆街の風景。
川面に降りる階段がある。

青龍洞入り口付近から見た祝聖橋と魁星楼の風景。
その後ろには石屏山がそびえる。

石屏山の頂上に建つ東屋。
石屏山頂上には祝聖橋のたもとから登山道があり、半時間程で登る事ができる。

ここは㵲陽河北側、石屏山の麓に残る古民居群。

石屏山の山麓に、迷路の様な鎮遠古民居群の路地。
青龍洞からは祝聖橋を渡り、対岸へ着くとそこからが古民居群。

山麓の傾斜地に石壁や石垣がへばり付く様に建ち、石の階段や石畳の起伏の多い路地が続く。

鎮遠民居客桟の入り口風景。

民居とは伝統的な民家の事で、客桟とは宿泊施設を指す。
民居客桟はいわゆる民泊に近い施設。

通りで見かけた古民居で暮らす子供達。

鎮遠の女の子。
鎮遠古民居群の多くは明王朝から清王朝時代の建物が残り、風情もあり、鎮遠の観光資源となっている。

古い路地に残る古井戸、今なお、飲み水に使われている。
石屏山の山肌から滲み出て来る湧水を石造りの四角い井戸に溜めている。
小さな祠には井戸神が祀られていた。

今では庶民が暮らす地区だが、古くは政府所在地だったため、役人や官吏、軍人達の住宅街だった。

石屏山の麓から㵲陽河に面する興隆街まで、いくつもの急な石段の通りがある。
これらの通りを巷（ちまた）道と呼ぶ。

巷とは道の分かれる所で、多くの人が通る道の事。
それにしても、圧迫感を感じる位にとても高い石壁だ。

巷道には現在も石牌坊巷、四方井巷、衝子口巷、仁寿巷、米碼頭巷、陳家井巷など数多く残る。
ここは復興巷。

復興巷から興隆街へ出る出入り口の門。
これで鎮遠観光はおしまい。
次は凱里へ向かいます。