ここはメリダ。
ポルトガルと国境を接しているエストレマドゥーラ州、その西部に位置する古都。
石畳の続く、メリダ旧市街の風景。

メリダはローマ帝国初代皇帝、アウグストゥスの命で紀元前１世紀につくられた。
今でも数多くのローマ時代の遺跡が残る。
写真は旧市街の道路に残るトラヤヌス帝の凱旋門。

ローマ時代の遺跡の一つ、ディアナ寺院。
ローマ皇帝を祀る神殿。
その後ろの建物はロス・コルボス伯爵の邸宅で、これはローマ時代ではなく１６世紀に建てられたもの。

ディアナ寺院から東へ１００ｍほどに残るの公共広場、フォーラムの跡。
フォーラムとは屋根のない施設で、集会場などに利用された。

メリダの市内にはローマ時代の町が埋まっており、その遺跡の上に現在の街がある。
市内に残る石畳の道と水道跡。

これからローマ時代の闘技場跡とローマ劇場跡に向かいます。
敷地内にあった古そうな水飲み場。

フォーラムから南へ２００ｍ、広い敷地内に闘技場跡とローマ劇場跡がある。
これは劇場前に残る中庭を持つ建物、ペリスタイル。
まずは闘技場へ。

闘技場へ入る通路。
かなり崩れてはいるが、石のアーチは残っている。

闘技場内の風景。
闘技場は紀元前８年に建設された。

闘技場内から観客席へ続く石階段の通路。
一部は修復されているが、多くはローマ時代のまま残っている。

闘技場の観客席からの風景。
観客は当時、１４,０００人もの観客が入れたとの事。
皇帝が、自身の力を民衆に知らしめるために建てた。

闘技場の観客席からの風景。
ここでは剣闘士、グラディエーターの戦いを観戦する事ができた。
また、中央の窪みは、水を張って、船での戦いも行われた。

闘技場の隣に建つローマ劇場跡。
半円形の階段状の客席には６,０００人が入れた。
闘技場よりも少し古く、紀元前２４年に建設された。

古代ギリシャ神殿風の舞台は保人状態も良く、おおむね残っている。
現在でもここで夏にはクラシック演劇が開催されている。

ディアナ寺院から南西へ５００ｍ、グアディアナ川に出る。
そこに架かるローマ時代の石橋、ローマ橋。

ローマ橋はメリダの町と共に紀元前１世紀につくられた。
橋のたもとには橋を守る砦、アルカサバが残っている。

メリダはイスラムが台頭し、オスマン・トルコが侵攻してくる８世紀ころまで栄え、多くのローマ遺跡を今に残している。
これらメリダに残るローマ時代の遺跡は、メリダの考古遺跡群としてユネスコ世界文化遺産に登録されている。

ローマ橋は長さ８００ｍほどあり、街の東西を結ぶ生活道路として、また観光用として、現在でも歩行者専用道路の役割を果たしている。

ディアナ寺院の北５００ｍ、鉄道の線路の向こうに見えるのはミラグロス水道橋。
メリダの町をつくった時、数キロ郊外の貯水池より水を引き入れるために造った。
現在はその一部が残っている。

現在ではコウノトリの住み家となっているミラグロス水道橋。
灰色の花崗岩と赤茶色のレンガを交互に重ねて建てている。
紀元前の技術の高さに、奇跡の水道橋と呼ばれている。

筆者が宿泊したパラドール、ビア・デ・ラ・プラタ。
パラドールとはスペイン公営のホテルの事で、昔の宮殿や古城などを改装し、国内に９０か所ある。

綺麗な中庭の風景。
メリダのパラドールは昔の修道院を改装してホテルとしている。